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[再掲]警察不祥事にみる警察官の達成感と喜び。 [警察官は人間失格である]

 人間は、他者の喜びを自分の喜びにすることができるというが、不祥事を起こした警察官たちは、他者を苦しめることに喜びを感じているかのようである。

 2009年7月31日、兵庫県警加古川警察署交通1課の男性巡査長(29)が、女性のスカートの中を盗撮したとして、停職3カ月の懲戒処分を受け、同日付けで依願退職している。

 この男性巡査長は、2009年6月26日、JR山陽線須磨駅の階段で、前にいた女子大生のスカート内をカメラ付き携帯電話で撮影し、県迷惑行為防止条例違反容疑で逮捕された。

 兵庫県警の調べに対して、男性巡査長は「5年前から50回くらいやった。好みのタイプの女性の下着に興味があった。スリルと撮れたときの達成感があった」などと供述したという(「スリルと達成感 盗撮趣味の兵庫県警巡査を処分」『産経新聞』ニュースサイト 2009年7月31日18時34分)。

 男性巡査長の「達成感があった」との供述を信じれば、男性巡査長は、自身の行為に満足し、喜びを感じていたということになる。まるで、交通違反検挙のノルマを達成したかのような言い方である。


 2008年3月3日、福岡県警捜査2課の●●●●巡査長(31)が住居侵入で逮捕されている(「隣家の夫人と交際を…住居侵入で警官逮捕」『日刊スポーツ』ニュースサイト 2008年3月24日23時57分)。

 2008年2月末、●●巡査長の隣に住む30代の夫婦が「たばこの吸い殻が入ったビールの空き缶がベランダに放置されている」と地元の警察署に相談し、吸い殻の唾液から検出されたDNAが●●巡査長と一致したことから、●●巡査長は住居侵入の容疑で福岡県警に逮捕された。

 福岡県警の調べに対して、●●巡査長は「夫人が浮気しているのではないかと夫に疑わせ、離婚することになれば、自分と交際できるようになると思い、ベランダに侵入して缶を置いた」と供述したという。ドラマ『隣人は静かに笑う』を思わせる動機である。

 ●●巡査長の思惑通り、夫婦が離婚して、夫人と交際できたとして、嬉しいものであろうか。少なくとも、思いやりがあれば、こんなことをしようとは思わないはずである。


 2012年12月14日、男性巡査(21)が、警視庁警察学校の寮で金を盗んだとして、窃盗と住居侵入の容疑で地検立川支部に書類送検されている。男性巡査は、停職3か月の懲戒処分を受け、同日付で依願退職した。

 警視庁の調べでは、男性巡査は、警視庁警察学校の寮で2012年6月と10月の2回、同僚警察官らの部屋から現金計約16万円を盗んだ。

 警視庁の調べに対して、男性巡査は「知人女性へのプレゼント費用にしたかった」などと供述したという(「『女性のプレゼント費』警察学校寮で盗んだ巡査」『読売新聞』ニュースサイト 2012年12月15日18時24分)。

 一般的にいって、女性というものは、盗んだお金でプレゼントを買ってもらって、喜ぶものなのであろうか。男性というものは、盗んだお金でプレゼントを買ってあげて、嬉しいものなのであろうか。

 思いやりを持とうと心がけている人間は、自分が盗みをはたらけば、周囲の人間を悲しませると思うのが普通ではないだろうか。

 2013年8月30日、兵庫県警豊岡北警察署の男性巡査長(30)が、署内で上司の男性巡査部長(30)の財布から総額約20万円を盗んだとして、停職3カ月の懲戒処分になり、依願退職している。

 兵庫県警によると、財布の現金がたびたび減っているのを不審に思った上司の男性巡査部長が、2013年7月上旬、財布を入れたバッグに向けて、動画撮影機能を起動させたスマートフォンを物陰に置いたところ、部下の男性巡査長がバッグの中を物色する様子が映っていたという。

 さらに、男性巡査部長は1万円札に小さな印を付けており、男性巡査長が所持していた1万円札にも同じ印があったことから、男性巡査部長が上司とともに男性巡査長を問いただしたところ、盗んだことを認めたという。

 男性巡査長は、2013年4~7月に10回ほど、上司の男性巡査部長のかばんに入っていた財布から一部の現金を抜き取っていたが、男性巡査長が全額返済し、巡査部長も被害届を出さない意向を示したことから、男性巡査長は立件されなかった。

 兵庫県警の調べに対して、男性巡査長は「結婚資金をためていて生活費が必要だった」と供述し、容疑を認めたという(「スマホは見ていた…警官、上司から20万円盗む」『朝日新聞』ニュースサイト 2013年8月31日7時22分、「窃盗:巡査長、同僚の現金盗む 動画が決め手に 兵庫県警」『毎日新聞』ニュースサイト 2013年08月30日15時30分 参照)。

 男性巡査長は、盗んだお金で生活して、結婚資金を貯めようと考えたようだが、結婚資金を貯めるために泥棒してお金を貯めて結婚式を挙げて、嬉しいものであろうか。思いやりを持とうと心がけている人間なら、自分が盗みをはたらけば、愛する人を悲しませると思うのではないだろうか。


 2011年1月27日、福岡県警小倉南警察署葛原交番の男性巡査長(31)が、公用のデジタルカメラなどを無断で持ち出したとして、窃盗容疑で福岡地検に書類送検され、停職6月の懲戒処分を受けて、同日付で依願退職している。

 男性巡査長は、2010年11月4日と同月7日の勤務中に、小倉南警察署刑事1課鑑識係の作業室に立ち寄った際、新品のデジタルカメラなど3点(約8万円相当)を盗んだ。

 2010年12月21日に盗難が発覚し、小倉南警察署が窃盗容疑で捜査していたところ、2011年1月1日、刑事1課鑑識係長名で、同係長宛てに宅配便で送り返されてきたという。

 福岡県警の調べに対して男性巡査長は、宅配便で送り返した理由について「直接返す勇気がなかった」と話し、窃盗の動機について「精度の高いデジタルカメラで、子どもの成長を記録したかった」と供述して、容疑を認めたという(「鑑識のデジカメ失敬、『子の成長記録』と巡査長」『読売新聞』2011年1月27日19時33分)。

 たしかに、子供の成長を見守ることは、親の喜びである。男性巡査長の「精度の高いデジタルカメラで、子どもの成長を記録したかった」との気持ちは理解できる。だが、盗んだカメラで子どもの成長を記録しようという気持ちは、まったく理解できない。

 盗んだカメラで成長の記録を残してもらった子供が、大人になってから、その事実を知ったらどう思うだろうか。思いやりを持とうと心がけている人間なら、子供を悲しませるようなことをすることはできないと思うのが普通ではないだろうか。


 1999年12月21日、和歌山県警橋本警察署警務課留置管理係の●●●●巡査長(29)が、串本海中公園センター(同県串本町)に「爆弾を仕掛けた」との脅迫文を送りつけたとして、威力業務妨害容疑で和歌山県警に逮捕され、同日付で懲戒免職処分になっている(「『爆弾仕掛けた』警官が脅迫文 和歌山県警、懲戒免職処分に」『読売新聞』1999年12月22日東京朝刊、「爆破予告の元巡査長『国体に出たかった』 騒ぎになれば同僚辞退/和歌山県警」『読売新聞』1999年12月24日大阪夕刊参照)。

 ●●巡査長は1999年五月二十一日ごろ、「海中展望塔付近に爆弾を仕掛けた。五月二十三日午前十一時に爆発する」と、片仮名書きの脅迫文を作って串本海中公園センターに郵送。●●巡査長に脅迫文を送りつけられた串本海中公園センターは、二十三日午前十時四十五分ごろから約三十分間、串本海中公園展望塔への入場を禁止するなどの措置を取ったため、業務に支障が出た。

 和歌山県警の調べに対し、●●巡査長は容疑を認め、「国体の山岳競技に出場したかった。一次予選の成績が良かった同僚三人が二次予選に出なければ、代表になれると思った」「山岳競技の国体予選に同僚を出場させたくなかった。爆弾騒ぎが起きれば、同僚も警備に当たることになり、出場できなくなると思った」などと供述。●●巡査長の思惑どおり、同僚はこの爆弾騒動で国体予選に出場できなかった。

 和歌山県警の調べでは、●●巡査長は、和歌山東警察署地域課に在籍していた1998年の神奈川国体和歌山県予選で三位に入賞し、山岳競技の和歌山県代表(三人)に選ばれたが、同年七月に同署管内で起きた和歌山毒物カレー事件の捜査で出場を辞退。

 ●●巡査長は、1999年の熊本国体の出場を目指して、四月の国体の一次予選に同僚の警察官(警備部など)三人と出場したが、その結果は出場六選手中五位と振るわず、代表には選ばれなかった。

 そこで●●巡査長は「爆弾騒ぎで同僚の出場を妨げよう」と計画。

 二次予選は五月二十三日に和歌山市内で行われる予定であったため、直前の五月二十一日、和歌山市からできるだけ離れた場所の爆破を予告しようと和歌山県南部の同センターに脅迫状を郵送。この爆弾騒ぎの警戒で同僚三人は出場を辞退した。

 さらに●●巡査長は「犯行の発覚を遅らせよう」と捜査の撹乱を狙い、串本海中公園センター以外にも和歌山県南部の白浜、那智勝浦両町のホテルや博物館、遊園地、灯台など計二十三か所をターゲットに爆破予告の脅迫状十通を作成。同月二十二日ごろから三十一日にかけて、和歌山、新宮両市などから県内の小・中学校や報道機関、町役場などに郵送していた。

 ●●巡査長は、和歌山毒入りカレー事件で国体出場を断念しており、国体出場を断念することの辛さを知りながら、同僚に国体出場を断念させる目的で自ら事件を起こしている。つまり、●●巡査長は、国体出場を断念する苦痛を知りながら、同僚に同じ苦痛を与えようとしたのである。思いやりを持とうと心がけている人間には、とうていできないことである。

 さらに●●巡査長は「国体の山岳競技に出場したかった。一次予選の成績が良かった同僚三人が二次予選に出なければ、代表になれると思った」と供述しており、●●巡査長は、同僚に国体出場を断念させるという苦痛を与えても、自分が国体に出場できさえすれば、それなりに達成感を感じ、国体出場に喜びを感じることができると考えていたようである。


 以上、いくつかの警察官の不祥事とその不祥事をおこした警察官の供述をみたが、不祥事をおこした警察官たちは、通常、喜びを感じる場面でないことに喜びを感じているようにみえる。

少なくとも、思いやりを持とうと心がけている人間には、喜べないはずである。

 以前に述べたように、警察官が日常業務として行なっている行為はTPOを間違えると、犯罪行為になるのだとすれば、警察官の日常業務に達成感や満足感などを感じることは、犯罪行為に達成感や満足感を感じることと変わりないのではないだろうか。

 もしそうならば、日常業務に達成感や満足感を感じている警察官は、思いやりを持とうと心がけていないだけではなく、他人に苦痛を与えることに達成感や満足感を感じているということになりはしないだろうか。



[再掲]「貸与拳銃による警察官の自殺について」 警察官の拳銃自殺は1年に平均5件程度である。 [警察の怪談]

このブログを読んで、「なぜ、銃声が聞こえないのか」との疑問を持たれた方は、本ブログの左側のサイドバーにある「マイカテゴリー」中の「第一章 漱石は志士の如く」から順に本ブログをお読みください。

貸与拳銃による警察官の自殺について


件数  日付  施設  ○×は銃声の有無、-は物理的に聞こえない場合を示す
1 2006年8月20日 大阪府警第3機動隊 ×
2 2006年11月3日 大阪府警枚方署交野市駅前交番 ×
3 2007年3月19日 静岡県警富士署伝法交番 ×

---2006年度 3件(○0、×3、-0、ただし2005年代以前は未調査)※2006年度合計は8件

4 2007年6月4日 島根県警出雲署 ×
5 2007年7月22日 埼玉県警本部庁舎 ×
6 2007年9月20日 警視庁立川署富士見台交番 ○
7 2007年12月13日 栃木県警真岡警察署の益子交番 -
8 2007年12月19日 警視庁丸の内警察署東京駅前交番 ○
9 2008年2月10日 栃木県警真岡警察署の益子交番 -

---2007年度 6件(○2、×2、-2)

10 2008年4月24日 神奈川県警加賀町署 ×
11 2008年4月25日 千葉県警機動隊十余三(とよみ)事務所 ×
12 2008年7月8日 京都府警田辺署三山木交番 ○
13 2008年7月12日 広島県警因島署三庄北駐在所 ○
14 2008年8月29日 千葉県警千葉東署 ×
15 2008年9月22日 警視庁志村署 ○
16 2008年9月28日 和歌山県警岩出署 ×
17 2008年10月15日 静岡県警沼津署 ○
18 2009年1月14日 警視庁第7機動隊庁舎 ○
19 2009年3月22日 新潟県警佐渡西署佐和田幹部交番 ○

---2008年度10件(○6、×4、-0)

20 2009年4月6日 福岡県警若松署 ○
21 2009年4月10日 香川県警丸亀署土器交番 ×
22 2009年7月10日 宮崎県警高鍋署 ×
23 2009年11月12日 千葉県警浦安署 ○

---2009年度 4件(○2、×2、-0)

24 2010年5月31日 青森県警五所川原署 ×
25 2010年6月3日 茨城県警本部分庁舎 ×
26 2010年6月14日 警視庁荻窪署 ×
27 2010年9月22日 大阪府警西堺署 ×
28 2010年11月29日 愛知県警中署 ×

---2010年度 5件(○0、×5、-0)

29 2011年6月2日 兵庫県警東灘署六甲アイランド交番 ○
30 2011年5月6日 岐阜県警高山署安川交番 ○
31 2011年9月17日 岩手県警盛岡西署 ×
32 2012年2月11日 福島県警須賀川署駅前交番 ×
33 2012年3月18日 千葉県警流山署駅前交番 ○

---2011年度 5件(○3、×2、-0)

34  2012年4月4日 沖縄県警名護署1階武器庫内 ○
   2012年7月14日 福岡県警博多署9階武道場     ○
    ※自殺か事故か新聞で確認できず。

---2012年度 1件(○1、×0、-0)

35 2013年5月17日 福島県警いわき中央署 ×
36 2013年7月28日 新潟県警村上署 ○
37 2014年2月4日 和歌山東署小倉駐在所 ×
38 2014年2月15日 警視庁蒲田署 ×

---2013年度 4件(○2、×2、-0)

39 2014年10月11日 大阪府警浪速署地下1階の駐車場  ×
40 2014年11月27日 大阪府警本部地下1階トイレ  ×
41 2014年11月27日 宮崎県警都城署沖水交番仮眠室  ×
42 2014年12月27日 愛媛県警松山南署久米交番給湯室  -
43 2015年1月14日 埼玉県警朝霞署屋上  ×

---2014年度 5件(○0、×4、-1)

44 2015年4月7日 広島県警三原署宮浦交番2階シャワー室  -
45 2015年10月6日 警視庁田園調布署5階トイレ  ○
46 2015年10月27日 船橋署法典交番隣の空き家敷地内  ×
47 2016年1月30日 宇治署東宇治交番 山中  -
48 2016年2⽉21⽇ 警視庁田園調布署5階トイレ  × 
49 2016年3月12日 神奈川県警泉署1階トイレ  ×

---2015年度 6件(○1、×3、-2)

50 2016年4月17日 茨城県警結城署大町交番トイレ ×
51
52
53
54

---2016年度 1件(○0、×1、-0)

 50件中16件は銃声を聞いたとの報道があったが、29件は物理的に銃声が聴こえているはずであるが銃声について報道されなかった。庁舎内で銃声がしても誰も銃声に気づかないということは、テロ対策等の危機管理上も問題のはずだが、気にとめる人間はいないようである。

 特に、島根県警出雲署1階女性用仮眠室、警視庁荻窪署7階の単身寮、茨城県警本部分庁舎トイレ、大阪府警西堺署トイレ、愛知県警中署トイレなどの事案は、物理学的には銃声が聞こえるはずであるが、銃声は聞こえなかったと報道されている。 

 2014年2月15日の警視庁蒲田署トイレの事案では、拳銃自殺した警察官発見のきっかけは、銃声ではなくトイレ内からの「いびき」と報道された。この事案は、上司によるパワハラが原因であったことが明らかになっている。また、愛知県警中署、警視庁蒲田署の事案についても、いじめが原因とされている。

2015年10月6日の警視庁田園調布署5階トイレでの拳銃自殺では発見の発端が銃声であったが、2016年2⽉21⽇の警視庁田園調布署5階トイレでの拳銃自殺では、「当時は当直勤務中で、交代時刻の午後10時になっても姿を⾒せないことから署員が捜していた。」となっている。くしくも、この二件の拳銃自殺が、全く同じトイレの全く同じブースで起こったことから、物理学的には聞こえるはずの銃声が消えていることが実証されたことになる。

仮説であるが、危機管理広報が必要な場合、例えば、いじめが原因等の自殺で、警察が警察官の自殺を予測し得た場合や、警察にとって何らかの不利益な事情がある場合などに、銃声が聞こえない(銃声については触れない)と広報していると思われる。

※「警官の拳銃自殺が急増 半年で8人、最悪ペース」(『共同通信』、2008年10月24日)によると2008年度が「過去10年間で最悪だった2006年度の8人を上回るペース」であったとあることから、かなり以前から、年間平均5件程度で推移しているものと考えられる。年間平均5件というのは、2007年度から2015年度までの46件を年度数9で割って算出した。また、2012年度は、1件と異常値のように見えるが、年度単位でなく暦年単位でみれば、2012年も2011年同様3件起こっている。2013年の2件が暦年で底になっている。



[再掲]『日刊アメーバニュース』に「夏目漱石の名言10『ありがたいなどは通過して恐ろしい位だ』」という記事があったが・・・、「警察官は人間失格である!」に勝る漱石の名言はない。 [警察官は人間失格である]

「警察官は人間失格である」という言葉を、

ただの悪口と、思い込んでいる方のために、

本ブログの「「日刊アメーバニュース」に『夏目漱石の名言10「ありがたいなどは通過して恐ろしい位だ」』という記事があったが・・・、『警察官は人間失格である!』に勝る漱石の名言はない。」という記事を再掲します。

本ブログでは、他の箇所でも詳しく説明していますので、他の箇所も参照ください。

ついでに「SOS団を作ってはどうだろうか? SOS団とは、S(漱石を)、O(大いに)、S(尊敬する[猫党の])団の略。」も再掲します。

以下は、本ブログの「「日刊アメーバニュース」に『夏目漱石の名言10「ありがたいなどは通過して恐ろしい位だ」』という記事があったが・・・、『警察官は人間失格である!』に勝る漱石の名言はない。」という記事。

2014年12月27日の『日刊アメーバニュース』に「夏目漱石の名言10『ありがたいなどは通過して恐ろしい位だ』」という記事があった。

夏目漱石の名言は他にも沢山ある。

なかでも、

「警察官は人間失格である!」に勝る名言はない。

なぜか、この名言は、無視されている。


漱石は「文芸の哲学的基礎」http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/755_14963.html という講演(明治四十年四月、東京美術学校での講演)で、

「探偵」という「職業をして居るうちは人間の資格はないものと断念してやらなくては、普通の人間に対して不敬であります」と述べている。

「職業をして居るうちは人間の資格はない」という部分に着目すると、

「職業をして居るうち」というのは、「探偵」という「職業をして居るうち」という意味であるから、

簡潔に言えば「探偵」ということになるだろう。

そして、

「人間の資格はない」という言葉を簡潔にいえば、

「人間失格」となる。

さらに、

漱石は「探偵」について、

「重宝だから、警視庁でもたくさん使って、給料を出して飼っておきます」と述べており、

漱石が言う「探偵」が、「警察官」のことを指しているということはすぐにわかる。

つまり、

「文芸の哲学的基礎」という講演での漱石の発言を要約すれば、

夏目漱石001.png


ということになるのである。


以下、「文芸の哲学的基礎」

「諸君は探偵というものを見て、齢するに足る人間とは思わんでしょう。 ――中略―― まず彼らの職業の本分をいうと、もっとも下劣な意味において真を探ると申しても差支えないでしょう。それで彼らの職務にかかったありさまを見ると一人前の人間じゃありません。道徳もなければ美感もない。荘厳の理想などはもとよりない。いかなる、うつくしいものを見ても、いかなる善に対しても、またいかなる崇高な場合に際してもいっこう感ずることができない。できれば探偵なんかする気になれるものではありません。探偵ができるのは人間の理想の四分の三が全く欠乏して、残る四分の一のもっとも低度なものがむやみに働くからであります。かかる人間は人間としてはむろん通用しない。人間でない機械としてなら、ある場合にあっては重宝でしょう。重宝だから、警視庁でもたくさん使って、給料を出して飼っておきます。しかし彼らの職業はもともと機械の代りをするのだから、本人どももそのつもりで、職業をして居るうちは人間の資格はないものと断念してやらなくては、普通の人間に対して不敬であります。」(「文芸の哲学的基礎」『日本の名著 42』中央公論社、105-106頁。)

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以下は、本ブログ「SOS団を作ってはどうだろうか? SOS団とは、S(漱石を)、O(大いに)、S(尊敬する[猫党の])団の略。」という記事。 


SOS団を作ってはどうだろうか? SOS団とは、S(漱石を)、O(大いに)、S(尊敬する[猫党の])団の略。 [ジョーク] [編集]


 『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメ(マンガ、小説)にはSOS団というのが登場する。

 SOS団というのは、S(世界を)、O(大いに盛り上げる為の)、S(涼宮ハルヒの)、団、の略である。

 これに倣って、

  夏目漱石001.png

と述べた、漱石を、大いに、尊敬する、(猫党の)団

つまり、S(漱石を)、O(大いに)、S(尊敬する[猫党の])団を作ってはどうだろうか?





[再掲]犬の職質に対して、子猫が完全黙秘!! 『いぬのおまわりさん』は、「いぬだおまわりさん」?? [ジョーク]

漱石は、明治三十九年六月七日付鈴木三重吉宛書簡で、

今の世に神經衰弱に罹らぬ奴は金持ちの魯鈍ものか、無教育の無良心の徒か左らずば、二十世紀の輕薄に滿足するひやうろく玉に候。もし死ぬならば神經衰弱で死んだら名譽だらうと思ふ。時があつたら神經衰弱論を草して天下の犬どもに犬である事を自覺させてやりたいと思ふ。


明治三十八年十一月から明治三十九年夏頃の「断片」で

現今の文明は天下の大衆を駆って悉く探偵的自覚心を鋭敏ならしむる世なり。思ふに自覚心の鋭きものは安心なし。起きて居るうちは無論の事寝て居る間も飯を食ふ間も落ちつく事なし。此故に探偵を犬と云ふ


と書いている。

漱石は、「探偵」を「犬」と呼んで、「天下の犬どもに犬である事を自覺させてやりたい」と書いているのである。

つまり、漱石は「探偵」に「犬である事を自覺させてやりたい」と主張しているのである。

何度もこのブログで述べているが、漱石が言う「探偵」は「警察(官)」のことである。


童謡に『いぬのおまわりさん』(作詞:佐藤義美 作曲:大中 恩、1960年)https://www.youtube.com/watch?v=eQuUossxMxUというのがある。

犬のおまわりさんが、迷子の子猫に名前や家をたずねたところ、子猫は泣くばかりで、犬のお巡りさんが、困り果ててしまうという情景が歌詞となっている。

一言でいうと、犬が子猫に職務質問している情景である。

さらに、

「ないてばかりいる こねこちゃん」ということだから、

犬の職質に対して、子猫が完全黙秘している情景となっている。

なかなか、恐ろしい歌詞である。

歌詞だから、おまわりさんが犬である必然性はなく、おまわりさんはサル、キジ、タヌキ、ゾウ、ウサギ等々なんでもよいはずなのだが・・・

佐藤義美は、おまわりさんを犬と設定して、詩を書いている。

犬が子猫に職質しているわけだから、

犬がおまわりさん(警察官)だとすると、子猫は一般市民ということになる。

この設定は、

漱石の「犬」(「探偵」=「警察(官)」)と「猫」(漱石は自身を「猫党」と呼んでいる)の対比と一致している。

佐藤義美は、

おまわりさんはいぬ(警察官=犬)であると子供たちに知らせることを目的として、作詞したのではないだろうか?

『いぬのおまわりさん』が、「いぬだおまわりさん」に見えてこないだろうか?






[再掲]開高健の『猫』と『坊っちゃん』に対する指摘 [筒井康隆の「無人警察」ほか]

 開高健は『今日は昨日の明日 ジョージ・オーウェルをめぐって』(筑摩書房、1984年)で、フランスの批評家のティボーの言葉として「いかなる名作も教壇で講義されたとたん凡作になる」という言葉を引用して、「学校で教えたらもう駄目だな」と述べている。
 さらに、『書斎のポトフ』(筑摩書房、2012年)では、「寺田寅彦が、漱石の作では『猫』と『坊っちゃん』がいちばん傑作で、のびのびとして書かれている、それ以後の作品は窮屈であると、あたりはばからず率直な意見を述べているけれど、まったくその通りだと思う」と、寺田寅彦と同様に『猫』と『坊っちゃん』を評価しつつ、「文芸評論家が議論するのは漱石晩年の荘重深刻な小説ばっかり。彼らも『猫』と『坊っちゃん』を楽しんだに違いないのに、それでいて、この二大作品につては口をつぐみ、まともに語った人は一人もいない。」と、文芸評論家に対する不満を述べている。
 開高健の『猫』と『坊っちゃん』に対するこの指摘は、正しいように思われる。
 
 とくに文芸評論家は、『猫』について、まともに語ろうとしていない。

 最近は、杉田弘子氏の『漱石の「猫」とニーチェ』という良書の功績で、漱石がニーチェ哲学の影響を強く受けたということが定説となった感がある。いまさらわたしが、漱石がショーペンハウアー哲学の影響を強く受けていると主張しても、信じる人は少ないだろうが、あえて言えば、漱石の思想はニーチェよりショーペンハウアーに近い。
 杉田氏は『漱石の「猫」とニーチェ』で、漱石とニーチェの関係を主張するために、『猫』で漱石がニーチェを引用していることと、東北大学所蔵漱石文庫のニーチェの著書に多くの書き込みがあることを根拠にしている。それないりに説得力があるといえるだろう。ただ、この書の評価は、ニーチェの漱石への影響というよりは、杉田氏が漱石に絡めて、自身のニーチェ哲学への深い理解を表現したことが高く評価されているように思われる。
 杉田氏のニーチェ哲学の深い理解を生半可なニーチェ理解でおいそれと批判するわけにはいかないが、ニーチェの漱石への影響については、反証可能である。

 韓国人研究者の朴裕河(パク ユハ)氏は『日本近代文学とナショナル・アイデンティティ』(朴氏の博士論文)という論文の「第十章 漱石とショーペンハウアー」で、漱石がショーペンハウアーを複数の作品で引用していることと、東北大学所蔵漱石文庫のショーペンハウアーの著書に多くの書き込みがあることを根拠に「漱石とショーペンハウアーの関係は今までほとんど省みられることはなかったが、漱石とショーペンハウアーの関係は予想以上に深い」と指摘している。
 
 これは、杉田氏の漱石がニーチェの著書に多くの書き込みをしているという根拠と同じである。

 残念なことに朴氏は、『吾輩は猫である』への言及は避けている。おそらく朴氏は『吾輩は猫である』に言及すると、学位認定にマイナスになると考えて言及しなかったのだろう。もし、真っ向から『吾輩は猫である』に取り組めば、朝鮮半島の植民地統治(社会教化事業[運動])に大きな影響を与えた戦前の代表的警察官僚松井茂と夏目漱石の関係に気付くことができたかもしれない。残念なことである。

 杉田氏は、ニーチェの著書に多くの書き込みがあることを根拠にしているが、漱石はショーペンハウアーの著書にも多くの書き込みをしているのである。このことから考えると、漱石の書き込みは、ニーチェに対する興味というより、漱石の蔵書に対する読書の仕方の特徴というべきであろう。杉田氏や朴氏の蔵書への漱石の書き込みに対する指摘は、漱石の読書方法の特徴、いわゆる癖といえそうである。

 朴氏が指摘するように漱石は、ショーペンハウアーを『カーライル博物館』で「英雄」と呼んでいる。

 また、朴氏は指摘していないが、漱石は寺田寅彦への書簡でも「倫敦には無数の『アン』有之『ショーペ[ン]ハウワー』の説によれば8,500にんとか申す儀に候へば貴兄の御近づきの先生は一寸見当り不申何れ其内面会の折も有之候へば君よりよろしくと可申候」と、ショーペンハウアーを引用している。
 
 漱石は、なにやら暗号めいたやりとりを寺田寅彦とするさいに、ショーペンハウアーを引用しているのである。ところが、私が漱石全集を読んだ範囲では、ニーチェについては、このような意味深な表現はない。
 
 漱石のショーペンハウアーに対する思い入れは、ニーチェに対する思い入れより大きいように思われる。

 そればかりではない。

 漱石が文学者になる決心をした際に漱石に影響を与えたとされる漱石の親友米山保三郎が遺した唯一の論文の題目が、「『シオペンハワー』氏充足主義の四根を論ず」というものなのである。自身の人生に大きな影響を与えた早世した親友が、唯一この世に残した論文で扱った哲学者に興味がわかないないはずはないだろう。

 ソウル出身の朴氏は、日本の義務教育における国語教育を受けていないため、何の先入観もなく漱石の作品を読めたのであろう。朴氏は新発見(再発見?)のように語っているが、漱石の思想はニーチェよりショーペンハウアーに近い。

 普通に読めば、道義的同情を重視する漱石の思想は、同情を否定するニーチェより、同情を道徳の根拠とするショーペンハウアーの思想に近いことは明白である。
 控え目なショーペンハウアー研究者たちは、声高に主張しないが、彼らの間では、漱石とショーペンハウアーとの思想的繋がりは、昔から指摘されていることなのである。

 じつは、漱石の著作に登場する「カーライル」や「天然居士(米山保三郎)」と同様に「ニーチェ」「ハルトマン」「ケーベル」「寺田寅彦」「自殺」「婚姻」などをキーワードにたどって行くと、ショーペンハウアーに突き当たるのである。

 また、漱石の著書にケーベルに関する記述で玉突き云々というのがあるが、ケーベルと玉突きをよくした人物というのは、金井延である。金井延の~主義に関する考えは、漱石によく似ている。

 この金井延の弟子に桑田熊蔵(漱石と同期)や井上友一(漱石と同期)がいる。桑田と井上(井上は論文で警察を批判している)は、社会教化事業(運動)の指導者であった。

 この桑田や井上の社会政策思想・社会教化事業(運動)と、窪田静太郎(漱石の先輩にあたる)や松井茂(漱石と同期で漱石の親友中村是公の親友)の社会政策思想・社会教化事業(運動)との差異を知った上で、漱石の同期(松井茂)たちが展開する国民精神総動員運動へと至る社会教化事業(運動)の周辺に漱石がいたことを前提に、漱石の『文学論』を読めば、漱石の『文学論』が文学論にかこつけた世論研究であることは誰にでも理解できるはずである。

 『文学論』における世論研究を背景として漱石作品があると考えて、漱石の作品を読み返せば、漱石が何をしようとしていたかは自ずとわかるはずである。

 これまで地上に存在した文芸評論家たちは、漱石がショーペンハウアーの思想的影響を受けていたことと漱石が警察の比喩として「探偵」という語を使っていることを完全に無視して、『吾輩は猫である』を読み流している。

 文芸評論家は、『吾輩は猫である』の諷喩を全く理解することなく、漱石の作品群を読んでいるのである。

 開高健の「『猫』と『坊っちゃん』」「二大作品につては口をつぐみ、まともに語った人は一人もいない。」との文芸評論家に対する指摘は、実にすばらしい指摘である。

 開高健の、「いかなる名作も教壇で講義されたとたん凡作になる」との指摘は、漱石が教科書で取りあげられることが最も多い作家であるため、かえって漱石の風刺の真髄(警察の比喩として「探偵」という語を使って警察による社会強化事業[運動]を批判)が語られずじまいになっているとのことを教えてくれているようにさえ思える。

 漱石が警察の比喩として「探偵」という語を使っていることを知れば、漱石が『二百十日』で述べている「文明の革命」が何か容易にわかるし、漱石の文明批判が何かも一目瞭然である。探偵化(皆警察化)した現在、漱石作品の中で、探偵化した人間が探偵的に探偵と戦う『坊っちゃん』に人気が集まるのも、もっともなことである。ヤマアラシのジレンマ(ショーペンハウアーの小話が元)を見るようでもある。

 このブログで追々明らかにしていきたいと思うが、漱石は、人間が探偵化(警察化)すること、国民皆警察(戦前の代表的警察官僚の松井茂が推進した政策)という社会教化事業[運動]を批判していたのである。

【猫党に興味を持たれた方は、本ブログの左側のサイドバーにある「マイカテゴリー」中の「第一章 漱石は志士の如く」から順に本ブログをお読みください。】





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